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ブロンクス貧困ビジネス物語・その1

<Twitterコラム>

◇貧困ビジネスという言葉を先日初めて聞いた。人の貧困につけこんで金儲けしようという意味合いだと思うが、単純に貧乏な人を相手にしたビジネスという意味もあるのか。そうだとしたら私がブロンクスでやってるビジネスもまさに貧困ビジネス。アメリカはその層が厚い。

◇日本に比べてアメリカは貧乏な人たちに対するケアが手厚いと思う。家賃が払えなくてもアパ-ト等を借りる方法がいろいろあるし。ただ問題はその環境があまりにも心地よすぎてそこにずっといてしまうということ。つまり貧乏人は貧乏のまま。金持ちたちにとってはよくできたシステムである。

◇私がブロンクスでやってる貧困ビジネスのお客さんたちを相手にしてて思ったのだが、そういう状況にある人たちの大部分がコミュニケ-ション能力に問題がある。たとえば電話のかけ方。留守電に自分の電話番号をきちんと残せなかったりする。だから彼らは貧乏なのか。それとも貧乏だから?

◇私がブロンクスでやってる貧困ビジネスでは10件アポを入れたとしたら8件は来ない。何の連絡もなしに来ない。そして残りの2件のうち1件は遅れてくる。時間通りに来るのは1件のみだ。これではすべての物事の進行が遅れてしまう。時間の速さがここだけ違うのである。それでいいのか。

◇貧困ビジネスは不況に強い。というか不況のときに儲かる。私が今やってるビジネスも不況とは思えないほど忙しい。貧乏人が生れれば生れるだけ忙しくなる。罪悪感はある。でも正直言ってほんの少しだけ。仕事をするときに罪悪感なんて気休めにすぎない。邪魔だ。

 

*2009年11月