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うちの子に私の髪の毛を切らせる理由

<Twitterコラム>

◇ここ数カ月、うちの9歳児に私の髪の毛切ってもらってるんだけど、毎回お互いの緊張感がスゴい。彼は彼で失敗したら私に怒られるもんだから緊張してるし、私は私で失敗されたら大変なことになるのでチョー緊張。でもこういうのってたまにはいいよね。親子で緊張することなんてほとんどないし。

◇「絶対に失敗は許されない」という状況では、人間って大変な効率で物事学ぶでしょ。うちの9歳児もそう。私の髪の毛切るのもスゴく上手くなった。毎回顔の筋肉がブルブルするぐらい緊張してるから。1回につき6ドル払うことになってんだけど、でも失敗したら私に死ぬほど怒られるしね。

◇以前どっかで読んだんだけど、NYの悪ガキどもを漁に連れてくって話があったのね。陸の上ではいつもグレて不貞腐れてるガキどもが、海の上での漁ではスゴく素直になるって。理由は簡単。命守るために緊張して、不貞腐れてる余裕なんてないから。私も元素潜り漁師として、その緊張感がよく理解できる。

◇NYの悪ガキどもを漁に1回ぐらい連れてったって更生するわけないんだけど、ただ緊張感たっぷりの命がけの漁を通して、しばらく忘れてた「素直な自分」を見つけるみたいね。やっぱ残酷な自然の前では「命を守る」という一点でピュアにならざるを得ないし。「緊張感」にはそういう使い方もあるのよね。

◇うちの9歳児に私の髪を切らせるのはそのときの「緊張感」で彼の学習能力を発動させようとしてるの。彼はかみさんに似てスゴく不器用でそのぐらいやらないと学ばない。でも髪を切ることに関してはかなりのスピードで学んでる。やっぱ緊張するし。私とすればその「学び」の感覚をぜひ覚えててほしいの。


*2014年3月13日
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