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にゅーよーく・なっつ。

死にそうな親の耳元で「逝•け•よ」って言えますか?

<Twitterコラム>

◇85歳の義母の調子が悪い。ちょっとヤバいかもしれない。修羅場が始まろうとしている。義父が亡くなる前後もそうだった。激しい色使いの人間模様。その人間の本性が見える瞬間の数々。愛が全方向に放出する人間もいれば、極寒の冷酷さを見せる人間もいる。私が圧倒的に注目してるのは後者よね。

◇病院のベッドの上でもう死にかけてる老人がいるとするでしょ。まわりの人間たちも「もう逝かせてあげたい」と思ってるんだけど、でもあくまでも「思ってる」だけで、その老人の耳元で

「逝•け•よ」

とは普通は言えないじゃない?特に家族は。でも私は知ってるよ。それ言った人間。

◇義父が病院のベッドの上で本当に死にかけてる時、それまで見舞いにも来なかった義姉がやっと来て、もう意識もほとんどない義父の耳元で

「Papa, you can go. YOU・CAN・GO」

ってささやきやがったのよ。後ろからゲンコツでぶん殴ってやろうかと思ったよ、マジで。

◇死にかけてる実の父親の耳元で「逝•け•よ」と言った義姉。あれって彼女の最後のリベンジだと思ったのね。父親のこと相当恨んでたし。特に自分の肌の色のことで。その顛末はこちらのコラムに書いてます。

◇親の死に際に、これまで溜めに溜めてた親への思いが噴出することってあると思うのね。ある人はところ構わず泣き崩れ、またある人は冷酷にも程があるだろっていうような言葉を吐きかける。その差って、どこでどうやってできたんだろうって思うよね。私は親として、どっちの死に際を迎えるんだろうか。


*2014年4月12日