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にゅーよーく・なっつ。

「爆撃機に竹槍」な日本人の漢字根性学習法

<Twitterコラム>

◇私がうちの9歳児相手に、「漢字の成り立ち」に注目した白川漢字学ベースの教材を使い始めて早7〜8年。以前は同教材もあんまり充実してなかったんですけど、最近はいろんなの出てますよねえ。昨日日本のアマゾンから着いたのがこれ。うちの4歳児用。

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◇うちの9歳児用に買った漢字教材はこれ。「部首トランプ」。知らない間にどんどん充実してきてますねえ。これで神経衰弱とか7並べ、ばばぬきとかやるんです。早速うちの子供たち、ガンガンやってます。一連の教材を出版した太郎次郎社に感謝です。

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◇「漢字の成り立ち」ベースの漢字学習法なんですが、10年前に比べると一般家庭、そして海外在住組にとっても圧倒的にやりやすくなってると思います。日本の国語教科書や漢字ドリルとか見ても、その考え方を少しずつ取り入れてますよね。なぜなら、そのほうが子供にとっても覚えやすいからです。

◇先月NYで「漢字はおもしろい」という講演会を企画したんですけど、要するに私は日本式「書いて覚える」漢字学習法じゃなくて、もっと学習効率の良いやり方を海外在住の皆さんに紹介しようとしてるんですね。うちの子で9年間ほど実験して、ある程度うまく行ったので。ただ気になることもあるんです。

◇私が海外在住の子供たちのために紹介しようとしてる「漢字の成り立ち」ベースの学習法自体は、だいぶ前から存在したんですね。でも海外在住組の間ではあまり浸透してないんです。「単に知らないだけ」とも考えられるんですが、他にも理由があるんじゃないかと思って。たとえば日本人の性格とか。

◇これは漢字学習だけじゃないと思うんですが、日本人が何かを学ぶ時の姿勢としてよく見るのが

・苦しまないと学べない
・気合い&根性主義
・無理するのが大好き
・日本のやり方が一番

たとえば漢字学習では日本式の「何十回も書け!」的な。それが日本人の性格に合い過ぎてて抜けれないと。

◇日本人の学習法って「修行」的な側面がすごくあると思うんですよね。学習効率とか論理性はそっちのけで「気合いと根性で苦しみながら学べ!」みたいな。漢字学習は基本、「写経」式だし。海外在住の親も「漢字を覚えるにはそれしかない」って思ってる人、たくさんいるみたいなんですね。

◇私は何かの新しいやり方や方法を考えるときに、自分に対して

「私は戦時中、戦車や爆撃機に竹槍で向かっていこうとした日本人の子孫である」

と言い聞かせるようにしてるんですね。ナンセンスな無茶をやる血が、自分の中にも流れてると。海外でお子さんに漢字を教えてる皆さん、無茶してません?


*2014年5月13日