コリアンおじさんのお香典事件@NY
<Twitterコラム>
◇かみさんのNYの実家は、2階をコリアンの老夫婦に貸してるんですけど、義母が亡くなった翌日に義兄から私に電話があったんですね。
「2階のコリアンのじいさんが、ママが亡くなったからって100ドル持ってきたんだけど、これナニ?」
同じアジア人だから知ってると思って電話したって。
◇部屋を貸してるコリアンのじいさんが持ってきた100ドルは、おそらく「お香典」的なものだと思ったので
「それは貰え」
と伝えました。
義兄は最初、断ったらしいのですが、「ダメだ、貰ってくれ」と言われて、一応預かってたと。アメリカでは「お香典」ってあんまりないんですよね。
◇アメリカで誰かが亡くなった際の「お香典」的なものなんですが、かみさん家族がブルックリンのゲットーに住んでた頃は、近所で誰かが亡くなるとお金を持ってくこともあったようです。ただそれは「葬式代」の寄付。なぜならみんな、葬式をやるお金がないからなんですね。
◇文化の違いで言えば、2階のコリアン夫婦の所にケーブル会社が工事しに来た時も一悶着ありました。工事の人に
「部屋に入るなら靴を脱げ」
「脱がない」
「脱げ」
「やだ」
と。工事に来た人によると、靴を脱いで事故に遭っても(工具を足に落とすとか)保険でカバーされないと。
*2014年5月23日
NY紀伊国屋&ブックオフのレイアウト→米国版「ドラえもん」の可能性
<Twitterコラム>
◇先日の日曜日、私はNYマンハッタンの紀伊国屋書店とブックオフに行ったんですけど
「以前に比べると、店内のレイアウト、変わったなあ」
ってしみじみ思いました。アメリカ人向けの本や商品が1階にダーンとあって、日本人向けは別の階に。昔は逆でしたからね。あくまでも日本人客中心だった。
◇NYの紀伊国屋書店とブックオフの「日本人客→アメリカ人客」の本格的なシフトは、ここ数年で起こったような気がするのですが、いかがでしょうか。それは両社の戦略というより、「市場のニーズ」に対応した結果かと。ではその「市場のニーズ」ってやつはどこから来たのか。そこがわからない。
◇日本のアニメ、たとえば「ドラゴンボール」や「ポケモン」等が本格的にアメリカに入ってきてから、もう20年近く経つと思うのですが、それを見て育ったアメリカ人の子供たちの中にはすでに30歳過ぎの人たちもいるわけですよね。「アジア系」の主人公を見て育ったアメ人たち、という意味で。
「ドラゴンボール」や「ポケモン」を見ながら大きくなったアメリカ人たちは、日本に対して良いイメージや憧れを持ってたりするんでしょうかね。ただ、それらの日本アニメって内容が「無国籍風」というか、地理的に「日本」を押し出してるわけじゃないんです。出てくる風景が「日本」じゃない。
◇私が今度始まる米国版「ドラえもん」に一番期待してるのは、毎回出てくるはずの「日本の普通の風景」。家の中とか街並みとか。私、いまでも子供の頃に見た「トムとジェリー」の中のアメリカ的風景を覚えてるんですね。それは一種の「憧れ」だったと言っていいです。で今回「ドラえもん」が米国上陸と。
◇米国版「ドラえもん」に出てくる「日本の普通の風景」を、アメリカ人の子供たちはどう感じるのか。「この国に一度行ってみたいなあ」的な「憧れ」に昇華してくれたらいいですよね。で、それって日本にとってもプラスになると思うんです。そこがこれまでの「無国籍風」日本発アニメと違うかなあ、と。
*2014年5月27日
国際結婚のホントにしょーもない愚痴
<Twitterコラム>
◇国際結婚のしょーもない、ホントにしょーもない愚痴をひとついいでしょうか。かみさんに床に落ちてる本を本棚に入れてくれと言うと、必ずこういう風景になるんです。結婚当初はこういう間違えさえも愛おしい。でも20年近くやられたら拷問よ、拷問。
◇この写真をよく見ていただければわかるのですが、英語の本は上下逆になってもあんまり気にならないんですね。でも日本語の本は着実にイラっと来る。そのイラっを約20年。何かの嫌がらせでしょうか。いい加減に日本語の上下関係を覚えろよ、と。
*2014年3月3日
子供向けオススメ英語ニュースサイト
日本の皆さんには、アメリカの子供向け英語ニュースサイトが見つけづらいかな?と思いまして、とりあえず有名どころをまとめてみました。
あと、ニュースサイトではないんですが、アメリカのクラスで使う教材をまとめたサイト(英語の先生にオススメ)や科学系プロジェクトに便利なサイト(アメリカ在住のお母さん・お父さんにオススメ)などもオマケで付けておきました。
ぜひご活用ください。
1)DOGO News
ニュースと同時にオススメなのが、子供たちによるブックレビューと映画レビュー。いま、アメリカの子供たちに何が人気かがよくわかります。
2)Time For Kids
雑誌「Time」に子供向けの「Time For Kids」というのがあるんですが、そのウェブ版です。ちなみに紙版の購読もできますし、そのデジタル版も出てるようです。
3)CNN Student News
http://www.cnn.com/studentnews
CNNのウェブサイトの中に「Student News」というページがあって、その日のいくつかのニュースを分かりやすい形で10分間のビデオにまとめてあります。
4)Kids Post(The Washington Post )
http://www.washingtonpost.com/lifestyle/kidspost/
ワシントンポスト紙の子供向けサイトです。「Homework helpers」や「Games & Puzzles」のページもあって充実してます。
5)TextProject
ここからオマケです。この「TextProject」というページは、教育熱心や親御さんや先生たちのためのサイトだと思います。クラス内で使える教材の他に、学年に合わせた児童書ガイドやアメリカの教育カリキュラムに関する資料なども載ってます。結構すごい。
6)Science Made Simple
http://www.sciencemadesimple.com/
最後はちょっとシブいサイトを選んでみました。アメリカの学校では、生徒たちにときどきサイエンス・プロジェクトをやらせるんですが、その度に子供と一緒に頭を悩ませる親御さんも多いんですね。そんな皆さんのためのアイデアの紹介サイトです。
また面白そうなサイトを見つけたら、ご紹介しますね。
打倒「孤育て」
<Twitterコラム>
◇日本の育児に関して非常に興味深いご指摘をいただきました。
RT @ZINDAIGLASS: 日本の育児が閉鎖的且つ親だけに支配されてるのはその親がそう望んでいるからじゃないかな。
この話を議論しようとする際に、どうしてもぶつかるのが「子供は誰のものか」論ですね。
◇私が思うに、これまで日本は
「子供は親のもの」意識
が強すぎたのではないかと。だから幼児・児童虐待が問題視されるのにも時間がかかったと思うんですね。あとアダプト(養子)制度が普及しないのも、その意識が関係してるとか。もっと「同時に社会のもの」的要素が入っていいのでは。
◇「孤育て」という言葉がありますよね。「ひとりぼっち子育て」的な意味の。それに関して
・本人がそれを望んでる
・ひとりぼっちなのは本人の交友力やコミュ力が足らないから
みたいな意見をときどき目にするんですが、私はそういう傍観スタイルが嫌なんですね。「孤育て」は良くない。
◇初めて赤ちゃんを育てる際に多くの方が経験してると思うんですが、それまでの交友関係や活動範囲、生活パターンが急激に変わるんですね。最初から築き直すというか。だから環境的にも「孤育て」になりがちです。で、「孤育て」は精神的にも情報収集的にも良くない。親にも子供にも。
*2014年8月31日
https://twitter.com/nynuts
Mix is beautiful
<Twitterコラム>
◇うちは国際結婚で子供たちもミックス。そんなうちの子供たちのために、ずっと考えてたことがあるんですね。
「ミックスであることを子供たちがポジティブに捉えるために、親として何ができるか」
「ハーフ」とか「ダブル」とかじゃなくて、「ミックス」であることの美というか。
◇黒人であることを肯定的に捉える意味での
「Black is beautiful」
という言葉が以前ありましたよね。それと同じように
「Mix is beautiful」
的なメッセージをうちの子供たちにも送れないか、あるいはそう感じてくれる何かをあげられないかと思って。
◇「Mix is beautiful」という肯定感をいかにして子供たちに伝えるかを考え続けて早10年。そしてこの夏、ジャズに出会ったわけです。まさにジャズこそ
「Mix is beautiful」
だったんですね。ジャズの歴史を調べたとき、震えましたよ。「これだ!」って。
◇うちの子供たちには黒人、白人、ラテン、さらにジャズ大国の日本の血も流れてます。彼らに
「Mix is beautiful」
と伝えるためにはジャズしかない。で、ラッキーなことに子供たちも大好きになってくれた。私の親としての仕事の4分の1くらいは、もう終わったと思ってます。
*2014年9月30日
https://twitter.com/nynuts
差別ってすごくナチュラルだったりして
<Twitterコラム>
◇最近「差別」について考える機会が多いんですけど、でも「差別=自分にとって危険なモノのカテゴリー分け」と定義するなら、それって元々人間にとってはスゴくナチュラルな行為だと思うんですね。遺伝子に刷り込まれてるというか。人類は原始時代からそうやって生き残ってきたんでしょうし。
◇たとえば人類は昔、
「この黒い実は食ったら死ぬ」
「シマシマの蛇に噛まれたら死ぬ」
「あの刺青を入れた部族に会ったら死ぬ」
みたいな感じでサバイバルスキルを学習してきたと思うんですね。ある特徴を持つ、自分たちにとって危険なモノをカテゴライズすると。それが「差別」の原型かと。
◇もし人類に、自分たちにとって危険なモノ、嫌いなモノをカテゴライズする習慣=「差別」が遺伝子レベル・本能レベルで刷り込まれているのなら、そりゃ「差別」ってなくならないですよね。そこまで根深いと、「なくす」より「いかにコントロール/抑止するか」と考えるほうが現実的なのかも。
*2014年9月16日
https://twitter.com/nynuts
うちの子供に「日本の作文法は覚えなくていい」と言う理由
<Twitterコラム>
◇うちの10歳児は今、週末日本語補習校の小学4年生なんですけど、作文に関して、彼が1年生のときから言ってることがあるんですね。それは
「日本語の作文法は覚えなくていい」
というのも、これは私の個人的意見なんですが、論理的に物事を考えるのの邪魔になるんじゃないかと。
◇私は
「書くこと=自分の思考プロセスを確立する」
みたいな部分があると思うんですね。書く文章のパターンが、自分の思考パターンになってく、みたいな。それを考えると、日本語の作文法や読書感想文はコワいんです。なんかダラダラしててスッキリしない。それが子供の脳にうつったらヤダなと。
◇これは私の偏見かもしれないんですが、たとえば日本の小学校の作文とか読書感想文って、先生や親などの「オトナ」が喜びそうな内容が評価されがちじゃないですか。文章の簡潔明快さじゃなくて。書くことによって思考力を鍛える際に「オトナが喜びそうな文の書き方」とか邪魔だと思うんですね。
*2014年9月8日
https://twitter.com/nynuts
日本人はいかにして「漢字」を学ぶのか
<Twitterコラム>
◇こっちの日本語補習校の新年度も始まって、小学4年生になったうちの9歳児の国語の教科書見たら、また漢字が山ほど載ってますなあ。10年近く、うちの子に漢字教えてきて思うんですが、結局漢字を習得するには身のまわりをできるだけ多くの漢字で囲まれている必要があるなあと。
◇漢字を習得するためには「漢字のある生活空間」というのが非常に重要だと思うんですね。まわりを見回せば漢字がいっぱいという状態。要するに漢字って「絵」なわけでしょ。一つひとつが意味を持ってる「絵」。だから漢字学習者はまず「絵」を覚える必要がある。そのために何回もその「絵」を見るべき。
◇ちなみに日本の漢字学習法というのは、「身のまわりを漢字で囲まれてる」ことを前提とした方法だと思うんですね。だから「漢字を何十回も書く」なんちゅう非論理的な方法で何とかなるわけ。だって、どっちにしろ漢字が視界に入ってくる生活空間で暮らしてるんだから。そこが海外とは決定的に違うのね。
◇たとえば、海外で漢字を学ぶ子供たちの場合、「身のまわりを漢字で囲まれてる」ということはまったく期待できないんですね。つまり漢字の「環境学習」ができないってこと。これはデカい。だって「絵」としての漢字を覚える機会がものすごく少ないってことだから。当然日本の漢字学習法も使えない。
◇日本の漢字学習法が「身のまわりを漢字で囲まれてる」ということを前提にしてるものであれば、当然同方法は海外では使えないわけね。ただ、海外で子供に日本語を教える日本人親たちの間では、それがまだ共通認識になってないんです。海外での日本語教育を考える上で、これってすごい大きな問題なの。
◇ちょっと話がズレるんですが、漢字習得のためにはできるだけ多くの漢字を「見る」必要があると思うんですが、よく考えたら日本や香港などの漢字圏って、米国や欧州に比べたら、なぜか道端の「看板」が多いよね。美的感覚の違いかと思ったんだけど、言語学習的にも説明できたら面白いなあ。
*2014年4月15日
https://twitter.com/nynuts
ギアは入りづらいけど、入ったら一直線な子供の”脳”力
<Twitterコラム>
◇先日ラジオで、子供とオトナの脳の違いの話をやってたんですね。
「子供とオトナの脳は働き方が違う」
という話。そのラジオ番組でマジシャンにインタビューしてたんです。「お客として、子供とオトナのどちらが怖い?」って。そのマジシャンの答えは
「子供」
子供のほうがよく見破ると。
◇オトナに比べると子供って普通、「集中力」に問題があるでしょ。確かに子供の脳は集中しづらいらしいんですが、逆にいろんなところに注意を払ってると。マジシャンが「オトナより子供の客のほうが怖い」という理由はそこにあるんですね。集中点が散りがちなため、子供は騙しの動きに引っかからないと。
◇もうひとつ、子供の脳の特徴として、確かに集中しづらいんだけど、本気で集中したらスゴいと。たとえば、親の皆さんはよくご存知ですが、子供って好きなコンピュータゲームであれば喜んで一日中やってるでしょ。いつもは気が散ってばっかなのに。一度ギアが入れば、大変な集中力を発揮するわけです。
◇子供時代の
「いつもは気が散ってばっかだけど、一度ギアが入れば、大変な集中力を発揮する"脳"力」
というのは、オトナになったら失くすらしいんですね。だから子供の頃の「楽しい」「面白い」って感覚はスゴく大事なんです。そのギアが入ったときって、オトナの想像を超える力を発揮すると。
*2014年6月9日
https://twitter.com/nynuts